なかなかどうして考えらされるいいドラマに仕上がっていますね

今期ドラマのあなたがしてくれなくても、相変わらずかなりの人気を博しているようですね。人気と言うとちょっとあれかもしれませんが、セックスレスと浮気という難しくも多くの夫婦が抱える難問に、四者四様の行動や考え方が上手く表現されていて、自分なら誰の考えに一番近いだろう？なんてつい考えらされてしまうのが魅力なのかもしれませんね。また、男なら陽一や誠の、女ならみちや楓の気持ちに共感するだけでなく、その考えに対する異性側の辛辣な意見も見て取れるのはなかなかに興味深いところ。単純な体の浮気や心の浮気だけに止まらず、仕事にかまけた代償だったり優しさ故に言い出せなかったすれ違いなど、かなり細かな精神描写が描かれているのも人気の要因かもしれませんね。

とある記事では、4人の中でいったい誰が一番悪いのかなんて考察もありましたが、男女によって意見が随分と食い違うという面白い結果が出ていました。まあ、論点が不倫なだけに善し悪しよりは好き嫌いになってしまうのでしょうが、個人的には田中みな実が演じる楓が一番可哀想に思えてしまいます。ただそれも見方を変えれば、楓のわがままに辛い思いをした誠がもっと可哀想と思えなくもありませんから一辺倒には言えませんね。メインとなるみちと陽一もまたしかり、どっちもどっちと思いつつも鶏が先か卵が先か、どちらも積み重なる時間の経過で膨れ上がった思いはそう簡単に納得出来ないものがあるのでしょうね。

ちなみに陽一の浮気告白場面はなかなかの見所じゃないでしょうかね。本当のことを言って欲しいと言っていたのはみちじゃないかという男性的な意見と、三島の自分だけスッキリするなという女性的な意見、どちらも言い得て妙ながら、個人的には自分だけスッキリするなという女性的意見に辛くも賛同してしまいます。なんなら嘘をつくなら墓場まで持っていけなんて言葉もありますが、平気で嘘をつき続けられる人はさておき、多くは大なり小なり罪の意識に苛まれるだけになかなかどうしてそれは最大級の戒めのようにさえ感じてしまいます。

ドラマも終盤に入りましたが原作はまだ続いています。この調子だと二期が制作されたりするのかもしれませんね。むしろ中途半端に終わらすよりそうしてもらった方が個人的には嬉しいです。