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大人の事情で物語を改編するのはどうなんでしょうね

「鬼滅の刃 遊郭編」がアニメ化決定ということでちょっとした騒ぎになっていますね。まあ、あれほどの人気なので2期があるのは別段不思議でもなんでもないのですが、それよりなにより「遊郭」という言葉に問題ありと騒がれているようで。いわゆる「子供に聞かれた時なんと答えたらいいのだ」と、心配している親がわんさかいるらしいですね。いやはや、わからなくもありませんが、だからって規制されるべきだという流れにまで発展するのはいささかやり過ぎと言いましょうか、これぞまさに言葉狩りだとしか思えません。

2003年、放送番組向上協議会であるBROがNHKおよび民放連により統合され、現在の放送倫理・番組向上機構=BPOが設立されました。その理念は「視聴者から問題があると指摘された番組・放送を検証して、放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促す」とありますが、昨今このBPOを盾にあらゆる番組が改編されてきたのもまた事実。乱暴な言い方をすればテレビが面白くなくなった理由のひとつに間違い無くこのBPOが関与しているといっても過言ではないと思います。もちろんBPOが悪いというわけではありません。むしろBPOは苦情を真摯に受け止め、検討し、それを伝えるだけのものでしかありませんから、問題となるのはその苦情にあるというのは明らかです。

ただ、現在のインターネット技術において、投稿における正確な人数を割り出すことが出来ないのは周知の事実であり、その気になれば同一人物が複数の投稿を行うことも可能である以上そこに数の信憑性はありません。にもかかわらず、一部の意見をさも重要案件のように取り扱うのは少々過剰反応な気がしてならず、その根本を無視して検討すること自体、それは企業として思考放棄なのではないかとさえ個人的には思ってしまうのです。

話が逸れましたが、あるツイッターの投稿に「どんな描かれ方でも、たとえ美化されていようと、物語であるならば規制されるべきではない」というものがありとても感銘を受けました。そこには「子供に見せる見せないは親の仕事であり本当はこうだったを教えるのは教育の仕事」ともあり、まさにその通りだとしか思いません。確かに子供は目を離せばこっそり見てしまいます。どんなに深夜に放送しようと録画されてはそれまでですし、現在ではTVerなどで見逃し配信も行っていますから、絶対に見せないようにするのはなかなかに困難かとも思います。しかしながら、よもや大人以上にネットを使いこなしているのもまた子供であり、どんなに隠そうがそれはすぐに暴かれてしまうのもまた事実だったりするのです。

大人の事情なんて言葉を覚えた時はなるほどなと思いました。大人には子供には見せたくないものが色々あるんだなと、それが大人と子供の境界線でもあるのだなと思ったものです。しかしながら、現在は下手をすると子供のほうが大人よりもずっとものを知っています。もちろん経験不足なのは否めませんが、知識だけなら好奇心旺盛な子供ほど豊富に取り入れられる、そういう時代なのです。だからこそ、そこに逆らうような真似はかえって逆効果な気もしますし、むしろ見せたくないと隠す行為はもはや通用する時代ではないと大人の方が理解すべき時が来たのではないかとさえ思うのです。

物語に罪はありません。そもそも舞台が遊郭というだけでそこまで不適切な表現があった記憶はありませんし、なによりまだ放映さえされてもいないものにとやかく言い過ぎではないでしょうかね。あと、勘ぐりすぎかもしれませんが遊郭と言う言葉から女性差別を連想しての声も混ざっているような気もします。確かに遊郭と聞けば遊女を連想させ、そこで何をしていたのかを考えると倫理的にも道徳的にもなかなかに難しいものがあると感じますが、だからといってそこを伏せたり隠したりすることはその場しのぎでしかないわけで、ならばいっそ放映しないほうがマシという意見さえ考えられます。

つまるところ、そこに必要性があるかないかではなく、物語としてあるものをなかったものにするのは改変ではなく改悪だと思うのです。大袈裟に言えば物語に対する冒涜とさえ思います。よもや、それをまったくの第三者が行うことが出来るということのほうがよほど道徳に反したことだとすら感じます。

ホンヤクラブ

  
  

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